色で選ぶ江戸切子 — 黒

ルーツを辿れば、透明なガラスにカットを施していた江戸切子。今では、江戸切子をイメージしたときに、赤(金赤)や青(瑠璃)のガラス製品を思い浮かべる方が多いでしょう。この2色は大変人気で、ペアギフトとしても喜ばれます。

一方で、時代や技術とともに、様々な色を被せた江戸切子も登場しました。好みの色で選んだり、集めたりするたのしみもあります。中でも今回は「黒」の江戸切子に注目してみましょう。

実は職人泣かせの難しい色?

「切子」という名の通り、江戸切子といえばカットされた伝統的文様が大きな特徴です。このカットを施すため、職人は、あらかじめベースとなるガラス生地にガイドとなる線を引きます。

江戸切子 ガイド線を引く作業(割り出し)

ガイドが引かれるのは、カットするガラス生地の外側です。一方で、職人がガイドを確認するのはガラス生地の内側から。ガイドが透けるよう、電灯で照らして覗きながらカットしていきます。

職人曰く、濃い色であればあるほどガイドが透けにくく、カットするのは難しくなるそうです。つまり、仕上がりの美しさに、職人の腕や長年の経験によるところが大きくなるのです。そう考えると「黒」は、もっとも技術の問われる色と言っても過言ではありません。

モダンでシンプルなモノトーンの世界

高い技術の求められる「黒」の江戸切子ですが、ガラスが織りなすモノトーンの世界は、モダンでシンプル。凛とした雰囲気もあり、江戸切子になじみのある方はもちろん、初めて手にする方や、普段はあまり和の文化に触れない方にとっても新鮮に感じるようです。

 

江戸切子 モノトーンデザイン 黒

「室町硝子工芸」では、腕利きの職人が高い技術を込めた「黒」の江戸切子もラインナップしています。まず手に取るのにおすすめの3品は、こちらです。

菱鱗重文様 オールド 黒

江戸切子 菱鱗重文様 オールド 黒

 

上下左右、斜めに規則正しくカット。まるで鱗のような独特の立体感がある、陰影が引き立つよう仕上げられたロックグラスです。江戸切子らしさはありながらも、モノトーンゆえのミニマルな印象と、光の輝きを感じるデザインです。

市松文様 オールド 黒

江戸切子 市松文様 オールド 黒

 

透明な部分は黒の色被せを丁寧に削り、規則正しくキリッとした印象の市松文様を表現したロックグラス。市松文様は、上下左右に途切れず続くことから、日本では古くから“永遠”や“発展拡大”、“繁栄”を意味すると言われています。

黒オールドグラス 「絹」

江戸切子 黒オールドグラス 「絹」

 

江戸切子では珍しい黒の色被せガラスを手で丁寧に削り落とし、淡く白い輝きの「くもりガラス(すりガラス)」を表現。黒い部分は、ロックグラスの土台部分に色のアクセントとして残しました。シンプルかつやさしい印象です。

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江戸切子を贈ってみたいけれど、好みがわからない。また、自分でたのしんでみたいけれど、部屋になじむだろうか。そんな場合は「黒」を選んでみるのもおすすめです。

黒の江戸切子 モノトーンでミニマルな印象 

モノトーンゆえのミニマルな印象もあり、年齢や性別、好みなどを選びにくいのも特徴です。他にはないギフトとして、またご自身の長く付き合いたいとっておきに選んでいただくのにもよいでしょう。


今回ご紹介の江戸切子はこちら

 

菱鱗重文様 オールド 黒
菱鱗重文様 オールド 黒

市松文様 オールド 黒
市松文様 オールド 黒
黒オールドグラス「絹」
江戸切子 黒オールドグラス 「絹」

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