白金店 − 本日のお花 #001

室町硝子工芸 白金店にある小さな水盤。この水盤に水を張り、色とりどり花を浮かべたり、敷き詰めたり。これらは、季節や気候に応じてスタッフ選んだもの。そこには、江戸切子を飾る空間を、より華やかに、特別な空間にしてお客さまをおもてなししたい−−。そんな想いを込めています。

この連載「本日のお花」では、白金店に飾っている花をご紹介。歴史や特徴など、花を取りまくさまざまなストーリーをお伝えします。

 

トルコキキョウ

 

華やかなフリルが特徴「トルコキキョウ」

和名:トルコキキョウ 
英名:Eustoma(ユーストマ)

品種による違いはありますが、寒い地域では8〜9月。あたたかい地域だと5〜8月に見頃を迎える「トルコキキョウ」。フリルのような花びらが、華やかな印象です。

名前に「トルコ」とつけられているため、原産地はトルコや中東の地なのでは? と思うかたもいらっしゃるかもしれませんが、実際はアメリカのテキサス州周辺といわれています。名前の由来は、つぼみの形がまるでターバン姿のトルコ人のようだったため。あるいは、花の紫色がトルコ石のように見えたため。はたまた地中海の海の色のようだから……など、諸説あります。まだ名を知らないこの花が初めて日本にやってきた時、見た人はその美しい様に遠い異国の情緒を感じたのでしょう。

昭和40年代から品種改良が進み、紫だけではなく、白やピンク、グリーンなどといった色も作られるように。花の形も、カップのような形状の一重咲きをはじめ、ゴージャスな印象の八重咲きや大輪など、さまざまな形が増え、ウェディングブーケのような華やかな場面でも人気を集めるように。一口に「トルコキキョウ」といっても個性的なので、花屋さんでお好みのものを探すのも楽しいでしょう。

今回は、白と紫のシックな色ながら、パッと華やかな八重咲きを選びました。同じ空間に並ぶ江戸切子は、金赤、瑠璃色、琥珀色、濃い緑色や薄い緑色など、それぞれ個性的な色をしています。主役である江戸切子を邪魔せず、程よい華やかさも感じさせてくれる。トルコキキョウは、主役にもなれる引き立て役なのです。 

室町硝子工芸白金店店内 トルコキキョウ

今年は、例年より遅い梅雨明けとなりました。近頃、夏らしい日差しが続いていますね。季節の花とともに、店内を過ごしやすく整えて、皆さまをお待ちしています。

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