色で選ぶ江戸切子 — 金赤

江戸切子といえば「金赤(きんあか)」と呼ばれる、明るい赤色をイメージされる方も多いでしょう。見た目にも華やかで、結婚式や記念日など、大切なおめでたい日のギフトにも重宝されています。今回は、男女問わず人気の高い、この色についてご紹介します。

赤色とひと口にいっても違う色

まず、切子で赤色といっても、1色ではありません。今回、ご紹介する「金赤」の他に「銅赤(どうあか)」または「紅(べに)」と呼ばれる赤色もあります。

 江戸切子の赤色比較 金赤と銅赤

2つの違いは色味と素材です。まず「金赤」は、明るく澄んだ赤色。江戸切子で赤の色を発色させるために金を使用したことから、こう言われるようになったそうです。一方の「銅赤(紅)」は、落ち着いた赤色。その名の通り、こちらも発色させるために銅を使用します。諸説ありますが「銅赤(紅)」は、薩摩切子が日本で初めてつくった赤色。かつては「薩摩の紅硝子」と呼ばれ、珍重されたそうです。また、発色の際に技術が必要なため、職人の間では「職人泣かせの色」とも言われました。

発祥の地も異なる2つの赤色ですが、もう一つの違いが、ガラス生地を製造する際の冷却温度です。ガラスは、1000度以上に熱して溶かし、水飴のような柔らかい状態にして、成形します。この冷却時の温度変化のあんばいで、「金赤」か「銅赤(紅)」に発色が変わるのだそう。また「金赤」や「銅赤(紅)」のガラスはゆっくりと、気を遣いながら冷却しなければなりません。温度変化にシビアな作業で、ガラス吹き職人職人の腕が問われます。

ちなみに「金赤」の中にも、その色味は赤〜ピンクがかったものまでいろいろ。ガラスの形やカットに加え、お好みの色味と出会うよろこびもあるのです。切子では定番の色でありながら、細かく注目していくことで、探すひとときもたのしめる。これも魅力です。

江戸切子 金赤とルリのグラス

クリーンで華やかな定番「金赤」

そもそもは、透明なガラスが発祥の江戸切子ですが、近年では赤色を被せた「金赤」も定番カラー。青色の「瑠璃(るり)」と合わせて、ペアギフトとしても重宝されています。年齢や国籍を超えて、美しい日本の工芸品として贈ったり、初めての江戸切子として選ぶのもおすすめです。

「室町硝子工芸」でも「金赤」は人気で、様々ご用意しています。中でも、ギフトや初めての江戸切子におすすめの3品をご覧ください。

  

江戸切子 矢来文様 ぐいのみ
矢来文様 ぐい呑 金赤

江戸切子の伝統的文様「矢来(やらい)」を、全体に規則正しく施しています。オーソドックスな江戸切子でありながら、モダンな印象。好きなお酒を味わうひとときを始め、そのまま飾っても愛らしい、女性の手にもなじむ小さなグラスです。

 

金赤 江戸切子 七宝文様のグラス「七宝cororica」
赤酒杯 「七宝cororica」

手のひらに収まる小ぶりなサイズながら、クリアな金赤ときらびやかなカットで、とても華やか。持つ手元まで美しく演出してくれます。上半分の丸い花のような文様は「七宝(しっぽう)」と呼ばれる表現で“七つの宝”を意味します。

 

江戸切子 金赤のグラス 「光菊(こうぎく)」
光菊 丸オールド 金赤

その名の通り、光を受けながら咲き誇る菊の花をイメージしたロックグラスです。確かな技術で施された、強弱をつけたカット。透明なガラスと金赤のガラスの、色のコントラストにも惹きつけられる、凛とした佇まいの一品です。

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江戸切子の「金赤」は、他のガラス製品にはあまりない、独特の華があります。それは、明るい色味と、切子本来のカットによるところが大きいのでしょう。

また、施されるカットによって、クラシカルだったりモダンだったりと、その印象も様々。江戸切子らしさはありつつも、世界に一つのものをお探しなら、「金赤」に注目してみませんか。

 


今回ご紹介した江戸切子はこちら

 

矢来文様 ぐい呑 金赤
江戸切子 矢来文様 ぐい呑 金赤
 
  
赤酒杯 「七宝cororica」
江戸切子 赤酒杯 「七宝cororica」
 
  
光菊 丸オールド 金赤
光菊 丸オールド 金赤

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